総合馬術競技

総合馬術競技は最も馬術の鍛錬を要する競技で、フランスではこの競技をコンコース・コンプリート(完璧さを競うもの)と表現する。この言葉は、馬と騎手双方のきわめて多面的な技量が試されると考えられる総合馬術競技を的確に表現している。この競技は、多くの馬術競技と同じように、19世紀の軍事教練から始まった。

3種類の競技

 総合馬術競技に一般市民が参加するようになったのは、第二次世界大戦以降のことである。この競技はめざましいスピードで発展し、多くの女性馬術家をとりこにした。英国からの参加者が最も多く、うらやましいほどのチーム成績を残している。
 近年は、オーストラリアならびにニュージーランドが団体でも個人でもきわだった成績を収めているが、馬に関しては依然として英国とアイルランドの影響が強く残っている。総合馬術では3種類の競技が3日間に渡って開催される(そのため、3日競技ともいわれる)。
 すなわち、馬の素直さと従順性が披露される「馬場馬術」の部、運動性、勇気、スタミナを測るためにつくられた固定障害のある「クロスカントリー(スピードと耐久力)」の部、クロスカントリーという激しい競技後も馬が”余力”を残していることを確認する「障害飛越」の部の3種類である。3種類の競技は、馬場馬術3、クロスカントリー12、障害飛越1の割合で評価される。しかし、この比率については、常に見直しが行われている。
競技馬は実績に応じてグレード分けされる。初心者向きの1日競技クラスから3日をかけて行う選手権クラスにいたるまで、注意深く分類されている。総合馬術競技の世界選手権は、オリンピックの年を除いて毎年開催されている。

バドミントン

 総合馬術競技が最も大きく発展するきっかけとなったのは、ビューフォート公爵のバドミントン領で1949年に初めて開催されたバドミントン総合馬術競技大会だった。バドミントンは、現在でも各国で行われる総合馬術競技会のなかでも傑出した存在で、その他の国際的な総合馬術競技会の標準とされている。
バドミントンでは、耐久力の部で約16マイル(25.6km)のコースを1時間半で走破する。最初のロード・アンド・トラックは3.5マイル(5.6km)、2番目は6マイル(9.6km)である。2回のロード・アンド・トラックのあいだに2マイル(3.2km)を超すスティープル・チェイスを走るが、4分30秒という時間制限があるため、このコースでは平均時速25マイル(時速40km)を必要とする。10分間の強制的な休息をとったあと、参加者は4.5マイル(7.2km)のクロスカントリー・コースに挑むが、そこは変化に富んだ地形で32個以上の障害が置かれている。多くの障害がコンビネーション障害なので、実際には馬は32回よりも多くの回数を飛越することになる。

安全性

 馬術競技団体は常に安全性に配慮してきたが、1999年に一連の死亡事故が起こったことで、これまで以上に”馬にやさしい”コースにすることを重視せざるを得なくなっている。