ブルトン

ブルトンブルターニュ地方(フランス西部)の育種家は、ヨーロッパで最も優れた技術を有している。中世の時代以降、この地域ではブラック山脈に住む改良の進んでいない小型で毛深い馬を基礎とした、独特のブルトン・タイプの馬が生産されていた。一時期、ブルトンには次の4タイプの馬がいた。速歩馬が2タイプ、乗用と輓用を兼用するタイプ、ならびに大型の輓用タイプである。乗用タイプのシュヴァル・ドゥ・コルレイは草競馬で競走にも使われていた。

タイプ

 現在では2つのタイプが認められている。ブルトン重輓馬は重量感のある早熟な馬で、おもに食肉用として生産されており、アルデンネの血が入っている。これよりもはるかに活発で、すっきりした四肢を有するブルトン・ポスティエは、サフォーク・パンチを軽量にしたものともいえ、フランス騎馬砲兵隊の誇りだった時代もあった。
 ブルトン・ポスティエは、ブーロンネとペルシュロンを交配して作出されたものだが、両品種とも活発で洗練されており、ノーフォーク・ロードスターを祖先にもっている。この馬は、ペルシュロンとブーロンネの速歩時のすばらしいエネルギーを受け継いでおり、軽い牽引作業および農作業に理想的な馬といえる。
 ブルトン・ポスティエは1962年以来、重輓馬と同じ血統書に記載されているが、別々に育種改良がなされている。ブルトン・ポスティエは、今でもフランスのあちこちで目にすることができる。また、未改良の馬の資質向上のために、北アフリカ、日本、スペイン、イタリアなどに輸出されてきている。

農作業
ブルトンはスピードのある活発な馬である。どんな農作業でもこなすことのできる馬で、南フランスのぶどう園でも広く活用されている。
異系交配に適した馬
丈夫さ、力強さ、スタミナと従順な性質とを併せ持つブルトンは、改良の進んでいない馬との異系交配にうってつけである。
毛色
典型的な毛色は赤みがかった粕毛だが、栗毛のほか、鹿毛、芦毛も認められる。青毛はこの品種では存在しない。
頭部
ブルトンの四角い頭部は、まっすぐな横顔をもち、鼻孔は大きく開いており、眼は明るくて従順そうな印象を与える。良く動く耳は小さくて、頭部のかなり低いところに位置している。

ブルトンにはノルマン・コブ同様、断尾の習慣がある。この習慣は馬に軽快な印象を与え、かつ手綱が尾の下に巻き込まれることがないようにするためと考えられている。
体高
体高は150〜161㎝である。ブルトン・ポスティエはブルトン重輓馬よりも小型である。