ヒツジの種類

サフォーク

英国でよく見かける低地の羊。中世にノーフォークホーンの牝とサウスダウンの牡をかけあわせて誕生した。顔と足が黒く胴長で角はない。1年で5~10㎝の毛になり、ニット糸やツイード、フラノ、フェルト、布団などに使われる。日本ではこのサフォーク種が羊の80%を占めております。


メリノ

メリノ(Merino)種は、世界各地に広く分布し、世界で最も優れた品質の羊毛を最も多く産出している羊種で、羊の代名詞的存在の羊である。あらゆる羊の中でも最も白く、最も細かく、捲縮が多い。しかも、長くて丈夫で、しなやかで、衣料用に最も適した羊毛を産出する。


コリデール

ニュージーランド原産。冷涼な気候を好むヒツジの中で適応性に富み、世界中に広まった。温暖湿潤な日本の環境にも適応し、かつて日本で主流だった。角はなく、顔や四肢は白く、長毛。毛肉兼用だが、戦前の日本では専ら羊毛用に飼育され、100万頭近く飼育されていた。毛織物産業に化学繊維が登場すると廃れ、1万頭弱まで減少した。


テクセル

オランダ、テクセル島原産の肉用品種。環境適応性に優れ、高い母性を持っており、知的で友好的。素晴らしく筋肉質で赤身、ユニークな香りで骨の比率に対する優れた最高級ラム肉。近年、世界的に注目を集めている品種。


ロマノフスキー

ロシアが原産の羊です。多産で周年繁殖が可能で、放っておくと年に2回出産する事もあります。毛皮用種といわれ、ロシアではシューバーといわれる毛皮のコートの原料になるそうです。20年前からカナダから輸入されましたが現在は種の保存は困難になりました。この繁殖能力と極寒の大地で養われた力強さは遺伝資源としてはマンクスロフタン同様貴重なものです。


マンクスロフタン

英国のマン島原産の羊の品種。ロフタンはバイキングの言葉で「小さな愛らしい茶色のやつ」の意。こげ茶色の羊毛と、4本(稀に6本)の角が特徴的な羊。この品種の肉は珍味とされ、主に食用として育てられている。ロフタンは絶滅したジャージーヒツジに最も近い近縁品種であると言われている。種の保存としてロマノフスキー同様貴重なものです。


ロムニー

イギリスケント州のロムニー原産。長毛の肉用種。顔や四肢は白い。ロムニー・マーシュはその名の通り沼沢地を好み、湿潤な気候に適することから日本にも多く導入された。改良種のニュージーランド・ロムニーはニュージーランドの飼育頭数の9割を占める代表種で約2700万頭飼育されている。


カラクル

中央アジアの高級品種。中央アジアの砂漠地帯の暑さと夜の寒さや乾燥に耐える。顔、四肢は黒い。世界の代表的な毛皮品種で、幼年時は黒色の毛で、成年になると灰褐色となる。子羊の皮はアストラカンと呼ばれる最高級品となる。品種名は原産地のウズベキスタンの村の名前に由来する。


蔵羊

中国の代表品種。中国内陸部の高原地帯からインドまで広く飼育され、その数は2800万頭といわれる。肉・毛のほか、荷駄用にも。


寒羊

モンゴルの品種。毛肉兼用で尾に脂肪を蓄える。